市場のプロフェッショナルたちが働く現場の様子と、見学時の注目ポイント

豊洲市場には、約480事業者(水産)もの「仲卸(なかおろし)」業者が集まっています。

ここは、世界中から集まった魚が、プロの目によって選別され、皆様の食卓やレストランへと旅立つ出発点です。

豊洲市場の心臓部

仲卸売場棟(仲卸エリア)

仲卸の役割と市場の仕組み

市場のスペシャリスト:仲卸(なかおろし)とは?

「仲卸」とは、生産者から魚を預かる「卸売業者」と、魚を買いに来る「買出人(料理人や魚屋さん)」の間を取り持つ、市場の要となる存在です。

彼らの最大の武器は「目利き」です。

一見同じに見える魚でも、鮮度、脂の乗り、身の締まり方は千差万別。

仲卸は、長年の経験と知識で一瞬にして魚の品質を見極め、お客様(寿司屋、天ぷら屋、スーパーなど)の要望にぴったりの魚を選び出し、適切な価格で提供します。

まさに、日本の食文化のクオリティを陰で支える「魚のプロフェッショナル」です。

魚が食卓に届くまで

漁獲・出荷
全国・世界の海から魚が豊洲市場へ到着
卸売業者
「競り」を主催し、魚を公平に販売する役割
仲卸業者
【ココが主役!】
競りで魚を競り落とし、店舗で小分け・加工して評価(目利き)を行う
買出人
寿司店、レストラン、鮮魚店などの仕入れ担当者が、仲卸から購入
消費者
皆様の食卓へ

見学エリアのご案内:プロの現場をのぞいてみよう

水産仲卸売場棟(6街区)では、見学者通路から安全に市場の活気を感じることができます。

見学者通路(3階)からの眺め

一般の方が仲卸売場の作業フロア(1階)に立ち入ることはできませんが、

3階の見学者通路から、大きなガラス越しにプロの仕事場を見下ろすことができます。

見どころ

所狭しと並ぶ魚の箱、行き交うターレット・トラック(小型運搬車)、そして真剣な表情で商談する仲卸と買出人の姿。

まるで巨大な工場のようにも見える、豊洲ならではの「機能美」と「活気」をご覧ください。

おすすめの時間帯

市場が最も活気づくのは早朝です。

午前5:00頃〜午前8:00頃までが、最も多くの魚と人が動いている様子を見られるゴールデンタイムです。

見学・撮影に関するルールとマナー

市場は、日々真剣勝負が行われている「業務の場」です。安全かつ円滑な運営のため、以下のルールの順守をお願いいたします。

🚫 無許可撮影・録音の禁止

業務の妨げやプライバシー侵害となるため、許可されたエリア以外での撮影はご遠慮ください。

🚫 フラッシュ撮影の禁止

フラッシュの光は、競りの手元が見えなくなる原因となるほか、マグロなどの魚が光に反射して品質確認の妨げになります。また、ドライバーの目に入ると事故につながる危険があります。

🚫 ガラスを叩かない

見学者通路のガラスを叩く行為は、下のフロアで働く方々の集中を削ぐため絶対におやめください。

世界の「食」が集まる巨大な舞台

豊洲市場 水産エリア

水産エリアのスケールとダイナミズム

東京の食を支える巨大空間

豊洲市場の水産エリアに入ってまず圧倒されるのは、その広大な空間です。

ドームのように広がる高い天井と、見渡す限りの広さを持つ水産卸売場棟。

ここは単なる売り場ではなく、世界最大級の取扱高を誇る「巨大な物流拠点」です。

深夜から早朝にかけて、ここでは東京、そして日本の食卓を支えるための真剣勝負が毎日繰り広げられています。

朝の活気:眠らない物流拠点

静寂が包む東京の夜明け前、市場内はすでに熱気に満ちています。

無数のフォークリフトが走り回り、発泡スチロールの箱が積み上げられ、次々とトラックへ運び込まれていく——。

その光景は、まさに日本の食流を支える動脈そのものです。

スピードと正確さが求められるプロフェッショナルの現場の空気を、ぜひ感じてください。

世界中の海から「旬」が集結

北欧のサーモンから南洋のマグロ、そして日本近海の新鮮な魚介類まで。

豊洲市場には、世界中の海からその時期一番の「旬」が集まります。

480種類以上とも言われる豊富な魚種と、圧倒的な取引量。豊洲市場は、世界と日本の食をつなぐ国際的な玄関口としての役割も担っています。

卸売市場の心臓部:セリの見学ガイド

静寂と熱狂が交差する「手やり」の秘密

セリ場に響くのは、セリ人(卸売業者)の掛け声だけではありません。

買い手(仲卸業者・売買参加者)は、大声を出さずに指を使って値段と数量を示します。これを「手やり」と呼びます。

一瞬の指の動きで数千万円もの取引が決まる、プロ同士の阿吽の呼吸。

その静かな熱狂こそが、セリの最大の醍醐味です。

マグロのセリを見学するには?

市場の花形であるマグロのセリは、以下の2つの方法で見学することができます。

事前抽選デッキ(要予約)

セリ場と同じフロアの専用デッキから、ガラス越しではなく間近でセリの迫力を体感できます。

セリ人の息遣いまで聞こえる特等席です。

一般見学ルート(予約不要)

2階の通路から、ガラス越しにセリ場全体を見下ろすことができます。ずらりと並んだマグロの壮観な眺めを楽しめます。

見学可能時間:午前5時30分頃 ~ 6時30分頃

プロの流通・衛生管理へのこだわり

鮮度を守り抜く、世界最高水準のコールドチェーン

豊洲市場の最大の特徴は、施設全体が壁で覆われた「閉鎖型施設」であることです。

外気や害虫の侵入を完全に遮断し、エリアごとに最適な温度管理を徹底。

産地からトラック、市場、そして店舗へ。

途切れることなく低温で運ぶ「コールドチェーン」により、水揚げされた直後の鮮度を保ったまま、皆様の食卓へお届けしています。

市場を走り回る名脇役「ターレ」

市場内を見渡すと、円筒形の運転席がついた不思議な乗り物が縦横無尽に走っているのが見えます。

これが「ターレットトラック(通称:ターレ)」です。

小回りが利き、重い荷物も軽々と運ぶことができるターレは、水産エリアの物流を支える頼もしい相棒です。

市場見学の際は、人や荷物を避けてキビキビと走る彼らの動きにもご注目ください。

環境と資源への取り組み(SDGs)

海の豊かさを未来へつなぐ

海の資源は無限ではありません。

豊洲市場では、適切なサイズや時期の魚を適正に取引することで、持続可能な漁業を支援しています。

「旬」を大切にすることは、魚の命を大切にし、豊かな海を未来へ残すことにつながります。

もったいない」を価値に変える:未利用魚の活用

形が不揃いだったり、知名度が低かったりするだけで市場に出回らない「未利用魚(低利用魚)」。

しかし、その味は一級品です。

豊洲市場では、市場関係者によるプロジェクトを通じ、

これまで値がつかなかった魚に新たな価値を見出す取り組みを行っています。

食品ロスを削減し、新しい魚食文化を創造する、市場の挑戦は続いています。